年金事務所から社会保険未加入の通知が?どうすれば・・・【新宿】

「年金事務所から突然未加入の通知が届いて困っている・・・」こんな経験ありませんか?
社会保険未加入でいると、急にこれまで入っていなかった社会保険料の請求を受けるといったリスクや、
従業員の方が本来受けることができた生活補償が受けれないといったリスクもあります。

社会保険と労働保険の違い

こういったリスクを減らせるよう、急いで加入の手続きをしておきましょう。
社会保険とは、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つの保険制度のことを指します。
「雇用保険」「労災保険」という言葉を聞かれたこともあるかもしれませんが、こちらは労働保険と呼ばれています。
社会保険は、会社に雇用されている正社員、一定の条件を満たした非正規社員は加入が義務付けられている公的な強制保険制度で、病気などをした際の医療費、出産した場合の出産費用・生活費の補償がなされます。
社会保険は国民健康保険と違い、市役所に赴いて加入するのではなく、勤務先の会社で加入します。また、個人での加入と違い、配偶者や子ども、三親等以内の家族も加入することが可能です。
また、社会保険(健康保険)の特徴として、配偶者(事実婚などの内縁者を含む)や三親等以内の親族も加入することが可能です。
社会保険は、「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と「健康保険組合」との2種類あり、健康保険の運営主体は「保険者」と呼ばれます。

社会保険未加入でいるとこんなに大きなリスクが・・・

1. 未加入であった過去2年間を遡及して保険料を徴収
社会保険の未加入が発覚し、その後強制的に加入させられた場合、過去2年間に遡って未納分の社会保険料を徴収される可能性があります。
社会保険料は給与だけでなく賞与を含むほぼ年収総額の15%程度を徴収するため、従業員が多い場合には、事業が傾くほどの金銭を失うリスクもあります。

2. 延滞金の発生
納付期日までに保険料を支払わないと督促状が届きます。
督促状に指定された期日までに支払いが済んでいなければ、延滞金が発生することとなり、未納額が大きければ大きいほど、ペナルティも大きくなります。

3. ハローワークに求人を出せない
社会保険への加入が義務付けられている事業所が未加入であった場合、ハローワークに求人を出すことができません。

4.6ヶ月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金
社会保険の加入対象となっている未加入事業所のうち、特に悪質なケースでは、健康保険法第208条により、6ヶ月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金が課される恐れがあります。悪質とは、虚偽の申告をしていたり、複数回にわたる加入指導に従わなかったりしたときを指します。

社会保険加入のメリット

これまでリスクやデメリットを述べてきましたが、ここからはメリットについてお話します。

従業員側のメリット

1.社会保険料の半額は会社負担である
国民健康保険の場合は、全額自己負担であるため個人負担が少ないというメリットがあります。

2.生活保障のための傷病手当金、出産手当金制度がある
ケガなどで働けなくなった場合にお給料の6割ほどを最長1年半にわたり受給できる傷病手当や出産に伴う産前・産後休業中に受給できる出産手当金は、健康保険独自の制度であり、国民健康保険の場合は上記の手当の支給はありません。

3.扶養制度があるため、世帯における保険料額を抑えることができる
健康保険では、被保険者(会社員)の配偶者やお子さんがいる場合、1人分の保険料で3人分の保険を手続きすることができます。国民健康保険では扶養という概念がないため、家族全員が被保険者として加入する必要があります。

会社側のメリット

1.助成金の受給要件
国や自治体が行っている様々な助成金についても社会保険の加入を求められる場合が多いため、せっかく受給できる助成金を見逃す心配も少なくなります。

2.優秀な人材の獲得
上記従業員側のメリットで述べた通り、社会保険に加入すると従業員にとって安心感につながる保険制度となっています。採用情報に社会保険への加入ありということを示すことで、採用活動にかかるマイナス要素を減らすことができ、よりいい人材を採ることができます。

社会保険加入の条件

1.法人として新規適用(加入)しなければならない場合
社会保険の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)です。また、従業員が常時5人以上いる個人の事業所についても、農林漁業、サービス業などの場合を除いて厚生年金保険の適用事業所となります。被保険者となるべき従業員を使用している場合は、必ず加入手続きをしなければいけません。

2.適用事業所のうち、資格取得しなければならない従業員の要件
ア.75歳未満の正社員や会社の代表者、役員等
イ.70歳未満で週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上である人
ウ.以下のすべてに該当する短時間労働者
○従業員数101人以上の事業所(特定適用事業所)に勤務している
※令和6年10月から従業員数51人以上の事業所に変更
○1週間の所定労働時間が20時間以上
○2ヶ月を超える雇用の見込みがある(フルタイムと同様)
○学生ではない(夜間学生、通信制は除く)
○月額の賃金が8.8万円を超える

社会保険新規適用(加入)・資格取得の手続きの流れと必要な書類について

1.法人の社会保険新規適用(加入)について ※新宿区を含む東京の場合
①社会保険新規適用(加入)の手続き
原則法人設立から5日以内
②社会保険新規適用(加入)に必要な書類
・健康保険、厚生年金保険、新規適用届
・健康保険、厚生年金保険、保険料口座振替納付申出書
・登記事項証明書(発行から3か月以内のもの)
③社会保険新規適用(加入)のための提出先
・事務センターまたは管轄の年金事務所

2.従業員の資格取得、その家族の扶養加入について ※新宿区を含む東京の場合
①従業員の資格取得に必要な手続き
加入条件の発生から5日以内

②家族を扶養加入させる場合の手続き
被扶養者に該当する条件は、日本国内に住所(住民票)を有しており※、被保険者により主として生計を維持されていること、および次の(1)(2)いずれにも該当した場合です。
(1)収入要件
年間収入(※1)130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ
同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(※2)
別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
※1 年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下、雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であれば要件を満たします。)
また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので、ご注意願います。
雇用保険の待機期間中でも、収入要件を満たしている場合は被扶養者として認定することが可能です。ただし、基本手当(3,612円以上)の支給が始まった場合は、扶養削除の届出が必要となります。
※2 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。
(2)同一世帯の条件
ア.被保険者と同居している必要がない者
配偶者
子、孫および兄弟姉妹
父母、祖父母などの直系尊属
イ.被保険者と同居していることが必要な者
上記ア以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

③資格取得及び扶養加入に必要な添付書類
○従業員本人の資格取得に必要な資料
 特になし
○従業員の家族の扶養加入に必要な資料
下記の1.と2.は、全員、添付が必要です。3.と4.は、該当する場合のみ、添付が必要です。
1.続柄確認のための書類
次のいずれかを添付してください。(コピー不可)
・被扶養者の戸籍謄(抄)本
・住民票の写し(被保険者が世帯主で、被扶養者と同一世帯である場合に限る)
※被保険者と被扶養者の続柄が書面上で確認できるものを添付してください。
ただし、次のいずれにも該当するときは、続柄確認のための添付書類を不要とすることができます。
・被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されていること。
・上記の書類により、扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を、事業主が届書に記載していること。

2.収入要件確認のための書類
(1)所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっている者※
事業主の証明があれば添付書類は不要。
※被保険者の税法上の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、所得税法上の控除対象配偶者の適用は受けられないため、収入確認の証明書類が必要です。
被扶養者になった日が、事務センター(年金事務所)の受付日より60日以上さかのぼる場合は、扶養の事実を確認出来る書類の添付が必要となります。

(2)(1)以外の者
ア.退職したことにより収入要件を満たす場合
退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し
イ.雇用保険失業給付受給中の場合または雇用保険失業給付の受給終了により収入要件を満たす場合
雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知の写し
ウ.年金受給中の場合
現在の年金受取額がわかる年金額の改定通知書などの写し
エ.自営(農業等含む)による収入、不動産収入等がある場合※
直近の確定申告書の写し
※自営業者についての収入額は、当該事業遂行のための必要経費を控除した額となります。
オ.上記イ~エ以外に他の収入がある場合

上記イ~エに応じた書類
課税(非課税)証明書
カ.上記ア~オ以外
課税(非課税)証明書

(3)(1)および(2)の方に共通する事項
障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の非課税対象となる収入がある場合は、別途「受取金額のわかる通知書等のコピー」が必要になります。
※電子申請により提出される場合、上記(2)の(ア)~(エ)および(3)の添付書類は、画像ファイル(PDF形式・JPEG形式)による添付データとして提出することができます。

3.仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類※
被保険者と別居している被扶養者が対象となります。
送金者名、受取人名およびその金額が確認できる書類の添付が必要です。
振込の場合「預金通帳等の写し(通帳の名義および振込日と金額の頁)」「振込明細書」等
送金の場合「現金書留の控え(写し)」※16歳未満または16歳以上の学生の場合は不要です。

上記の書類は一例です。状況に応じて、他の書類をご提出いただくことがあります。
※被保険者と扶養認定を受ける方との同居の確認は、日本年金機構で行うため、原則、書類の添付は不要ですが、確認できない場合には、住民票の提出を求めることがあります。
添付書類について詳しくは、お近くの年金事務所にお問い合わせください。

社会保険労務士に依頼した場合の流れ

ひとえに社会保険の加入といってもこういった様々な要件を確認して届出する必要があります。これらを社会保険の専門家である社会保険労務士にご依頼いただいた場合、以下のような流れとなります。
①企業様側:社会保険の加入要件に関するヒアリング及び社員情報等を入力して提出
②当事務所:記載された情報に基づいた添付書類の提供依頼
③企業様側:必要書類の収集、社労士への提出(原則データでの提出で問題ございません)
④当事務所:電子申請を利用し速やかに届出
⑤1週間ほどで資格取得に関する結果通知および企業様へ従業員・扶養家族の保険証が届きますので、お渡しください。

社会保険労務士に依頼した場合、面倒な書類の作成や、必要書類の精査が不要となり、また電子申請での対応が可能ですので、素早く・効率的に処理できます。

社会保険労務士に依頼した場合の概算費用

社会保険・労働保険に加入すると、通年で様々な届出が発生します。そのため、継続的に企業様を支える「顧問契約」と、本件のみの対応となる「スポット契約」の2つのサービスをご提供しております。
顧問契約(月額):10,000円+(1,000円×従業員数)
スポット契約:10,000円/件
 ※法人の新規適用届、資格取得届、扶養異動届の場合、3件としてカウントします。

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